目次
はじめに
スタッフをどのように育成すればよいかで悩んでいらっしゃる訪問看護管理者の方は多いのではないかと思います。座学による研修も知識を得るのには有用ですが、実務に直結した学びとなると現場での学びがとても大切になります。
現場で得られる「経験」から学ぶプロセスについて書かれたのが、以前blogでご紹介した「経験学習入門」になります。人は経験から学ぶということについては多くの人が賛成するでしょう。しかし、スタッフ育成の手段として経験学習のプロセスを自ステーションに導入し、実践することを考えると、どこから手をつけてよいのかと途方に暮れる方が多いのではないかと思います。
今回ご紹介する本書は、経験学習を行なっている9社の事例が紹介されています。そのため、経験学習を自組織に導入する方法論や仕組みについてのヒントを得るのに格好です。
チャンスを与え、支援することを仕組み化する
経験学習を自ステーションで取り組むときにポイントになることは本書の「はじめに」に次のように書かれています。
質のよい経験を積むチャンスを与え、そこから多くのことを吸収できるように支援する、ということが経験学習をマネジメントするポイントなのですが、この点をいかに「仕組み化」するかが大切になります。
スタッフのリフレクション支援
仕組み化については、本書で取り上げられた9社の事例から抽出された経験学習を支援する6つのポイントが提示されています。この6つのポイントのうち、訪問看護ステーションで取り組みやすく、また実施効果も高いものを選ぶとすれば、「リフレクション支援」であると考えます。形式としては1on1ミーティングなどがありますが、経験の振り返りを支援する仕組みであれば、自ステーションで実施しやすいものがよいでしょう。例えば、振り返りシートを利用したり、自身の経験を発表するワークショップを開催するなどです。
おわりに
経験学習を組織で実践するには、仕組みが必要であり、仕組みを動かしていくには、評価制度との連携、経験学習の推進に熱心なキーマンの存在、そして使いやすツールが必要であると感じました。
訪問看護ステーションにおいては、やはり訪問看護管理者がキーマンとなります。スタッフの育成に悩まれている方には本書が参考になると思います。
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