本の紹介『日本の経営<新訳版>』

はじめに

 訪問看護ステーションと取り巻く現状として、医療保険制度の変更や少子高齢化の影響、景気動向や医療技術の進展といったマクロ要因はニュース等で目にする機会も多いと思います。これらの要因は訪問看護ステーションの運営にも間違いなく影響してきますが、これら以外にも日々の仕事に影響を与えているものを感じることはないでしょうか。例えば文化・風習・慣習といったものです。こういった暗黙の前提になっているものは、その社会で暮らす私たちにとってなかなか見えにくいものです。しかし、時としてこのような暗黙の前提に困らされることも出てくるのではないかと思います。
 今回紹介する本は、1958年に出版されたものです。アベグレンというアメリカ人の研究者(1997年に日本国籍を取得)が文化人類学的な手法を用いて研究を進めました。1955-56年にかけて日本の工場を訪問し、日米の工場比較を社会組織の面から行い、日本的経営の特徴を明らかにしています。... 続きを読む

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