目次
はじめに
看護師が経験から学ぶにはリフレクションが重要であるということを以前blogで取り上げました。そして前回のblogでは、経験からよく学ぶにはリフレクションだけではなく、ストレッチとエンジョイメントも大切であるというということを紹介しました。
今回は、訪問看護管理者(マネージャー)が自ステーション(チーム)の生産性や創造性を向上させるには、具体的に何をすべきかについて書かれた本を紹介します。
マネージャーの最も大切な仕事 95%の人が見過ごす「小さな進捗」の力
看護管理者は、ステーションのメンバーにどのような働きかけをすればよいのかの参考になれば幸いです。
マネージャーの最も大切な仕事は、「小さな進捗」を支援することである
この本の題材となった研究は、3業界、7企業、26チーム(合計238名)への1万2千の日記調査です。そして「やりがいのある仕事が進捗するよう支援する」ことでチームやメンバーの創造性と生産性が高まることがわかりました。
アマビールの行った調査から、些細なことから大きなことまで、職場での出来事は個人的職務体験(インナーワークライフ)※1に影響を与えていることがわかりました。職場での出来事、インナーワークライフ、そしてパフォーマンスは互いに影響しあっています。
つまり、看護管理者はステーションのメンバーの個別的職務体験(インナーワークライフ)に働きかけをすることで社員のパフォーマンスを上げることができると考えることができます。ではどのような働きかけをするのがいいのでしょうか。
研究の結果、一番影響があるのは、やりがいのある仕事の進捗を支援すること(進捗の法則)、続いて、仕事がうまくいくように支援する(触媒ファクター)、人が気持ちよく働けるように支援する(栄養ファクター)、であることがわかりました。
メンバーの日々の小さな進捗について喜び、その進捗を励ますことでそ、のメンバーの創造性や生産性が高まるのです。このようなコミュニケーションができているステーションは非常に雰囲気が良いのではないでしょうか。
マネージャーは自分自身の個別的職務体験をどのように向上させることができるのか
マネージャー自身のインナーワークライフを高めるには、部下たちが毎日の進捗に必要な触媒ファクターと栄養ファクターを提供し、阻害ファクターや毒素ファクターからはできるだけ遠ざけることであることが多いです。
そして、自分自身の進捗を日誌に書き記すことも効果があるとアマビールは本書で述べています。本書の第8書には振り返り用のチェックリストがついており、たいへん参考になると思います。
※1:感情と認識とモチベーションの相互作用のことを、本書では個人的職務体験(インナーワークライフ)と呼びます。
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