本の紹介『知識創造企業(新装版)』

はじめに

 活き活きと活動している訪問看護ステーションはメンバー同士のコミュニケーションが豊かに行われている印象があります。訪問看護の仕事の特徴の一つに、メンバーがそれぞれ利用者宅でサービスを提供している、ということがあると思います。つまり、基本的にメンバー同士が同じ場所で仕事を進めることがない、ということです。こうした特徴を持つ訪問看護師の仕事をチームとして進めていくには、コミュニケーションがキーとなります。
 メンバー同士が高めあい、外部環境の変化をものともせず、それぞれの利用者の在宅生活の継続に向けてチームとして活動している訪問看護ステーションでは、チームとして新しい知識が生み出されているはずです。しかし知識といってもメンバーの頭の中にあるものは見ることができないのでなかなか意識するのは難しいと思います。
 そんなとき、知識の創造を、形式知(数値や文字で表せるもの)と暗黙知(個人の行動、価値観、情念に根ざした言語化しにくいもの)の相互作用として捉え、理論化した「知識創造理論」の思考的枠組みが、チームとして知識をどのように作り上げていくかを考えていくときに役立つと思います。... 続きを読む

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