本の紹介『Think CIVILITY(シンク シビリティ) 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である』

目次

はじめに

 誰かと一緒に仕事をするときに、その一緒に働く相手に対して少々無礼であっても結果が出ればいいと思いますか?それともどんな相手にも礼儀正しくすることがいいと思いますか?
 この問いに対する意見が分かれるのではないでしょうか。礼儀正しい方がいいけど、結果を出すためには少々無礼にしたっていい、などなど。
 この意見が分かれる問いについて、本書は明確に、礼儀正しさの有用性を述べています。逆に言えば、無礼がどれほどの損失を与えているかについて研究したのが本書と言えます。

Think CIVILITY(シンク シビリティ) 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である

職場の無礼は膨大な金銭的損失を生む

 本書で著者は、無礼な態度は道徳的に良くない、とはあえて訴えません。そうではなくて、無礼な態度によって生じる金銭的な損失も莫大であるということを様々な調査から主張します。
 無礼な態度は同僚の健康を害し、会社に損害をもたらし、周囲の思考能力と認知能力を低下させ、さらには攻撃的にする、といった調査結果からわかったことが書かれています。
 そして、「礼儀正しさは自分も人も幸せにする」と述べ、そのために自分がどのように振る舞えば良いのか、判断を迷うシーンをいくつか例示しながらその対処方法について紹介しています。著者のスピーチ動画もあるので、こちらを観るのも良いと思います(15分ほどです。日本語訳もあります)

著者のスピーチ動画:同僚に敬意を持って接すると業績が上がるのはなぜか

礼儀正しく振る舞うときに注意すべきこと

 本書では自分の持っている資源は惜しむことなく他人と共有することが巡り巡って、自身ににもその恩恵が還ってくると述べますが、同時に注意すべきことも述べています。
 それは、決して差し出しすぎない、ということです。本書に以下のような記述があります。

個人的リソースを求められるままに分け与えるのは、思慮に欠けると言わざるを得ない。そんなことをすると、相手の要望が重荷になる。

 自分の持つ様々な資源と相手の要求とのバランスをとる必要になります。これはなかなか難しいことですが、一つ言えることは、自分の調子を心身ともに整えておくことが大切です。礼儀正しく振る舞えなくなっている、と感じた時は、すぐに自分の心身が疲れていると考えてみてはいかがでしょうか。

まとめ

 忙しい時期だと一緒に働くメンバーに辛く当たってしまうことがあるかもしれません。そんな時は自分が疲れている、バランスを取りにくくなっている、と考えてできるだけにすぐ休むべきであると思います。
 まだまだ寒い時期が続きます。体調管理には十分に気をつけてお過ごしください。

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