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訪問看護ステーションの顧客は誰か?と問われた時に思い浮かぶのは誰の顔でしょうか?患者(利用者)さんでしょうか?それともケアマネジャーさんでしょうか?
今回は著名な経営学者のピーター・ドラッカーの「5つの問い」を参考に、訪問看護ステーションの顧客について考えていきたいと思います。
訪問看護ステーションの顧客は誰か?
ドラッカーの問い「われわれの顧客は誰か?」
ピーター・ドラッカーは顧客には「活動対象としての顧客=組織の活動によって生活と人生を変えられる人たち」と「パートナーとしての顧客=スタッフや委託先などで組織の活動によって満足させるべき人たち」の2種類があるとしています。
パートナーとしての顧客は、組織が提供するものにノーと言うごとができ、組織の活動との関わりを拒むことのできる人たちで、組織の活動によって満足させるべき人たちです。しかし、組織が成果を上げるには、その焦点はあくまでも対象としての顧客に絞らなければならない、としています。
例えば学習塾などは、子どもたちに教えていますが、お金を払うのは親御さんです。「活動対象としての顧客=子どもたち」と「パートナーとしての顧客=親御さん」と言えます。お金を払ってくれるのは親御さんではありますが、学習塾として向かい合うべきなのは親御さんではありません。学習塾は子どもたちの学習支援において成果を出すことで親御さんを満足させることが大切です。
訪問看護ステーションに当てはめて考えてみる
訪問看護ステーションにおいては「活動対象としての顧客=患者(利用者)とその家族」、「パートナーとしての顧客=主治医やケアマネジャー、病院等の連携機関」と言えます。先の学習塾の例のように訪問看護においても、2つの顧客の役割を意識することは大切です。訪問看護ステーションが直接サービスを提供し、その対価として報酬を払う顧客は「活動対象としての顧客=患者(利用者)とその家族」です。しかし、現状では訪問看護ステーションを選ぶのは「パートナーとしての顧客=主治医やケアマネジャー、病院等の連携機関」であることがほとんどです。
しかし、訪問看護においても大切なのはドラッカーの言うように「パートナーとしての顧客=主治医やケアマネジャー、病院等の連携機関」の満足を最優先に考えて行動することではなく、「活動対象としての顧客=患者(利用者)とその家族」により良いサービスを提供することで、「パートナーとしての顧客=主治医やケアマネジャー、病院等の連携機関」も満足させることです。
自ステーションについて考えてみる
さて、これまで訪問看護ステーションについて「活動対象としての顧客=患者(利用者)とその家族」、「パートナーとしての顧客=主治医やケアマネジャー、病院等の連携機関」として考えてきました。これはあくまでも例です。担っている役割が異なれば、パートナー顧客が異なってきます。大きな法人のステーションであれば「パートナー顧客」のなかに社内の人が入ってくることもあると思います。また、地域活動を大切にしているステーションであれば地域の人というのも入ってくるかもしれません。
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参考文献
P.F.ドラッカー、経営者に贈る5つの質問[第2版]、ダイヤモンド社 、2017
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