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自ステーションの問題を解決するために色々な取り組みをされている訪問看護管理者の方は多いと思います。そして、その問題解決がうまくいかずに悩んでいる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
今回ご紹介する本書は、問題解決がなかなかうまくいかないのはその解決しようとしている問題が「技術的問題(テクニカル・プログラム)」ではなく「適応課題(アダプティブ・チャレンジ)」ではないかと述べ、この「適応課題」を解決するためのツールや戦略を紹介しています。
「適応課題」とは答えのない課題である
本書では「技術的問題」と「適応課題」を以下のように説明しています。
技術的問題は、かなり複雑で重要な場合もあるが(例えば心臓手術における血管のある心臓弁の置換)、すでに解決策が分かっており、既存の知識で実行可能である。
一方、適応課題は、人々の優先事項、信念、習慣、忠誠心を変えなければ対処できない。
つまり、適応課題とは、問題の当事者が変わらなくては問題が解決しないのであり、かつ、その解決方法についてもある一つの答えがあるものではないのです。まさに「適応課題(アダプティブ・チャレンジ)」と呼ぶのにふさわしい問題と言えると思います。
適応課題の解決には自分自身も変わらなければならない
本書は適応課題の解決に向けたプロセスを提示し、豊富な事例や対応方法、注意すべき点などを詳細に記述しています。自ステーションの問題に悩む訪問看護管理者のみなさまにはとても参考になると思います。
私が本書を読んで特に重要だと感じたのは、適応課題の解決には自分自身も変わらなければならない、という点です。
適応課題の解決には時間がかかり、関係者の考えや行動を変えていく必要があります。この変化には当然痛みが伴うものです。そしてその変革を進める自分自身も痛みを伴いつつ変わらなければならないのだ、というメッセージを強く感じています。
おわりに
弊社では自ステーションの問題解決に挑戦している訪問看護管理者や経営者のみなさまに訪問看護マネジメントセミナーというサービスを提供しています。
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