【新サービス】訪問看護マネジメントセミナーを開始するにあたって

 弊社では2022年4月より新サービス訪問看護マネジメントセミナーを開始いたします。(サービスの詳細はこちらよりご覧ください)今回のブログは、何でこのサービスを始めようと考えたのかについてです。

 令和2年に新規開設したステーションは1376カ所、そのうち50カ所が開設年に廃止。令和2年の休廃止ステーション総数は764カ所でした。この廃業率は全業種平均から見ると著しく高いということはありません。ですが、疾患を持ちながら在宅生活を送る人を支えるサービスであるため、利用していた訪問看護ステーションが休廃止してしまうことの利用者へのインパクトはかなり大きいのでは無いでしょうか。

 休廃止の主な理由は経営難と人材不足と言われています。人員基準2.5(常勤換算)を下回ったことだけではなく、管理者の退職に伴って次の管理者を見つけられずに休廃止となることも多いということが調査等で明らかになっています。これは、訪問看護ステーションの6割以上が常勤換算で5人未満の小規模事業者であるということが原因になっています。

 では何故、小規模だと経営が不安定なのでしょうか?職員数が少ないと1人でも欠員になってしまうとすぐに今まで通りのサービスを提供することが難しくなってしまいます。また、オンコールを持てる人数が少なくなればなるほど一人当たりの負担も大きくなってしまいます。(ちなみに、訪問看護ステーションの離職理由の上位がオンコールの負担となっています)

 また、経営においては利益がどれくらいあるのか、ということもとても重要です。(医療や看護の世界でも現在では営利=悪と考える方は少なくなってきたような気がします。嬉しいです)訪問看護はある制度のもとで価格やサービス内容が決められているビジネスです。また、規模が大きくなればなるほど効率化したり材料の仕入れ値が安くなるような性質(規模の経済と言います)のビジネスではありません。そのため、いくら売上が増えてもその利益率というのはほぼ決まっていると言えます。利益があると、翌年以降の投資等に使うことができます。訪問看護ステーションであれば、設備(事務所や車や訪問に使う物品等)や人(新しい人を雇う、給料を上げる)等へお金を使うことができるようになります。より良いステーションにしていくためにはまとまったお金が必要になります。そのため、ある程度まとまった額の利益が必要になり、同じ利益率のサービスを提供しつつ額を大きくするためには提供量を増やす必要があります。労働基準法や職員の健康を守りつつ訪問看護の提供量を増やすためには人がたくさん必要です。

 回りくどい説明になってしまいましたが、訪問看護ステーションの経営の安定化、人材育成等を考えると大規模化・多店舗化が正解です。日本訪問看護協会等も訪問看護の拡充のために様々な手立てを打っていますが、訪問看護師数も訪問看護ステーション数も目標を大幅に下回っています。小規模ステーションの立ち上げ自体は多いですが休廃止も多い現状です。一方、大規模化・多店舗化している大中規模の事業者も大幅には増えていません。理由は大規模化・多店舗化のノウハウを持っている事業者が少ないからかもしれません、それとも、そもそも訪問看護ステーションを立ち上げる看護師さんたちが大中規模の法人になろうと考えていないということもあるかもしれません。

 弊社は今まで、人材育成への投資やコンサルティングを受ける経営的な余裕のある大中規模法人様のご支援をしてきました。しかし上記のような状況で、今後の増え続けるニーズに対応するためには小規模ステーションにこそマネジメント支援が必要と考えています。小規模ステーションの事業継続や大規模化・多店舗化の支援をすることで日本の地域包括ケアに貢献したいと考えています。規模の大小等で訪問看護の中に派閥や分断を作るのでは無く、訪問看護業界全体として経営を安定化させ質を高めていくことが必要だと思います。

 そういった思いで始める今回の4月からの訪問看護マネジメントセミナーは弊社にとっても新しいチャレンジになります。ビジネススクールの先生方には、価値があるのは分かるが訪問看護のようなフラグメントな市場はビジネスとして儲からないとアドバイスを受けました。ですが勇気を出してチャレンジすることにしました。Twitterを始めてみると、St管理者さん同士で助け合っている状況も見えてきました。まさに弊社サービスのコンセプトである響きあって学ぶ場になっていると感ています。このサービスが孤軍奮闘されている看護管理者さんたちのお役に立てれば嬉しいです