開催報告 第5回訪問看護管理者セミナー「訪問看護ステーションにおける『心理的安全性』のつくり方・活かし方」②

目次

はじめに

12月18日(土)13時から**第5回訪問看護管理者セミナー「訪問看護ステーションにおける『心理的安全性』のつくり方・活かし方」を開催いたしました。**今回はケースを使用したセミナーではなく、無料セミナーでは初めてのレクチャー型でした。

皆さま、大変お忙しい中ご参加いただきましてありがとうございました!

今回は、最近よく目にする”心理的安全性”について、どういうものなのか?なぜ訪問看護ステーションに必要なのか?訪問看護管理者は何ができるか?という切り口でのレクチャーでした。本ブログではセミナーの一部をご紹介したいと思います。

なお、今回のセミナーは以前ブログでもご紹介した『恐れのない組織-「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす』と代表の実務経験を元にしたセミナーとなっています。

セミナーのポイント

心理的安全性とは『対人関係のリスクをとっても安全だと信じられる職場環境であること』です。(対人関係のリスクとは、自分の言動によって勤め先で無知・無能に見えたり、迷惑な人だと思われるという不安のことで誰もが無意識に避けたいと思っています。)

例えば、看護師として経験が浅いスタッフは、訪問時に患者さんのちょっとした変化に、それが何なのか断言はできないけど”何となく違和感を感じた”ときにどう行動するでしょうか。

心理的安全性が高い職場であれば「何かアドバイスや支援、自分が分かっていない新たな気づきをもらえるかもしれないからすぐに話してみよう」となるでしょう。そして、スタッフ一人ひとりが率直な意見やちょっとした気づき、ミス等の情報をすぐに共有することで、症状変化やミスの早期発見・早期対応につながります。また、ヒヤリハットが多く共有されればそれだけ事故予防の対策をすることができます。

また、心理的安全性の高い職場で働いている看護師は、患者に心理的に安全だと感じさせることができ、結果的にアドヒアランスが向上するという研究結果があります。

心理的安全性の高い訪問看護ステーションは、次の3つの効果を得ることができます。

①困った時に支援が得られる

②ヒヤリハット報告の増加や、率直に意見を言えることで医療事故が少なくなる

③状態変化の早期発見やアドヒアランスの向上によってケアの質が高まる

これら3つがあることで、看護師が安心して働くことができ、患者家族・連携機関からの評判がよくなることで訪問看護ステーションの経営状態は安定的に良いものとなります。

では、訪問看護管理者は何ができるか?です。セミナーでは次の3ステップのご紹介をしました。

1st step 土台を作る

2nd step 参加を求める

3rd step 生産的に対応する

看護管理者が日々の仕事の中で、率先して心理的安全性を高めるための言動をしていくことが重要ということを具体例を上げながらご説明しました。

また、セミナーでは短い訪問看護ステーションでの事例を用いて、心理的安全性について誤解しやすいポイントについての説明も行いました。

まとめ

心理的安全性とは、スタッフ一人ひとりの能力を活かし、管理者一人では不可能なことをみんなで達成するために必要不可欠な要素です。また、それだけではなく訪問看護ステーションの経営への影響も大きいため、ぜひマネジメント指標の1要素として取り入れてみてはいかがでしょうか?

弊社では、今回の無料セミナーのように経営学等の科学的な知見をご紹介をして看護の現場で管理者の皆様がより良い実践ができるお手伝いをしています。

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