目次
はじめに
訪問看護管理者を含むいわゆる『マネジャーの仕事』はどういうものなのかを考えた時、それを『配る』というたった一つの動詞で表現したのが本書になります。
本書では、なぜ配るのか、何を配るのか、どうやって配るのかについて講義形式で書かれていて、まるで教室での授業の進行や雰囲気が紙面にそのまま表現されてます。
マネジメントとは人を動かすこと
訪問看護管理者とはスタッフを動かして成果を上げる職種と言えます。訪問看護管理者のみなさんはどのようにスタッフを動かしているでしょうか。色々な具体例があると思いますが、それらは全て何らかのコミュニケーションを行うこと、と言えると思います。
そして、優れた訪問看護管理者はコミュニケーションの際に『情報』を『配って』います。もちろん、『配る』ためには情報を『獲る』ことも必要です。
マネジメントという仕事はヒト・モノ・カネ・情報という経営資源を使って人を動かし成果を上げることを目標としています。ヒト・モノ・カネには制限がありますが、情報だけは制限なく『配る』ことができます。この情報をスタッフに配ることによって自ステーションの目標達成に向かって仕事をするのが訪問看護管理者と言えます。ではどのような情報を配れば良いのでしょうか。
訪問看護管理者がスタッフに配る5つの情報
本書では『配る』という動詞を鍵として人と組織を動かす知識を伝えており、マネジャーが部下に『配る』大切な5つの情報として下記のことをあげています。
- 状況情報
- 方向性情報
- 評価に関する情報
- 個別業務情報
- 気持ち情報
さて、みなさんはこの5つの情報をスタッフに配れていますか?
おわりに
もう10年近く前の話ですが、本書の元になった7回の特別講義に私も学生の立場で参加していました。久しぶりに本書を読みながら、本の著者は通常ケースメソッドという授業方法でしか授業を行わないので、レクチャー型の講義自体がとても珍しかったなということを思い出しました。
マネジャーの仕事はとても複雑です。今でも、自分は『配れて』いるのだろうか、そして配るために『獲れて』いるのだろうか、ということを絶えず考えています。
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