本の紹介『病院vol80 No.12 2021年12月号特集 ワクワクする病院組織作りは可能か〜人間重視の病院組織マネジメント』

目次

 今回は、医学書院の雑誌『病院』12月号「特集 ワクワクする病院組織作りは可能か〜人間重視の病院組織マネジメント」を取り上げたいと思います。

はじめに

 看護や医療現場において重要となるものとして前回前々回と心理的安全性について取り上げ、また以前はチーミングについてもご紹介しました。今回の特集では、病院においてどのように心理的安全性のある職場作りをしてチーミングを機能させるかについて、現場での実践や研究者の視点等、様々な角度から多様な知見が得られる内容となっています。

ワクワクする病院組織とはどういったものなんだろうか?

 本特集では、病院に働く人々とその組織の特徴について、幸福経営、マインドフルネス、ポジティブ心理学、ホスピタリティマネジメント、経験学習、ナレッジマネジメント(知識経営)、ミッションマネジメント、コーチング等の様々な研究知見に触れることができる。もちろん、各内容は病院での研究結果や実践について語られておりとても学ぶことが多いと思います。

 中でも、鹿児島県にある医療法人誠心会の前原くるみ理事長と本企画者の早稲田大学人間科学学術院松原由美准教授の対談は心理的安全性を作るためにリーダーがどのように職場風土を作っているのか、とても参考になります。また、本特集は病院組織を念頭に記載されていますが、株式会社楓の風の小室貴之代表取締役の論稿は訪問看護ステーションの経営者、管理者にとって具体的に参考になるのではないでしょうか。

終わりに

 本特集は、病院組織をワクワクするものにするためにはどのようなことをすれば良いのかについての内容ではありますが、同じ医療現場である訪問看護ステーションの組織作りにおいてもとても参考になる内容でした。訪問看護ステーションや在宅ケアに関わる方々はなかなか手に取ることのない雑誌ではあるかと思いますが、ぜひ手に取られてご参考にされてみてはいかがでしょうか。

©︎2021合同会社manabico