看護管理の教科書に出てくる「二要因理論(動機づけ衛生理論)」を提案し、仕事の充実化を提唱したフレデリック・アーヴィング・ハーズバーグ(Frederick Irving Herzberg)

はじめに

 人はなぜ働くのか。このことを真摯に考えたアメリカの心理学者にハーズバーグという人がいます。彼は職務態度に関する膨大な先行研究を調査し、一つの仮説を立てました。そしてその仮説が正しいかを確かめるために調査方法を設計し、実際に面接調査を行いました。1959年にその結果は、「The Motivation to Work(邦題『仕事と人間性』北野利信訳)」として発表されています。この著書で提示されたのが、看護管理の教科書には動機づけの部分でマズローやマグレガーと並んで登場するハーズバーグの「二要因理論」です。彼の理論には、人間は仕事を通じての自己実現の欲求をもっているという人間観が感じられます。... 続きを読む

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認定看護管理者とはー看護師をまとめるマネージャーに求められる役割は何かを考えてー

看護師をまとめるマネージャーに求められる役割は何か

 看護師をまとめるマネージャーというと、どんな人物を想像するでしょうか。看護部長さんでしょうか。看護師長さんでしょうか。訪問看護ステーションの管理者さんでしょうか。
 このような人たちに求められている役割は何なのでしょうか。日本看護協会が運営している資格制度「認定看護管理者」に手かがりがあるのではないかと考えました。... 続きを読む

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ケース『訪問看護ステーション経営のたそがれー経営者兼管理者星川の悲鳴ー』

概要

 2名の看護師仲間とともに訪問看護ステーションを開業した星川であったが、そのステーション経営は順調な立ち上がりとは言えなかった。資金的な厳しさが続く中、創業メンバーであった看護師仲間全員は星川の元の去っていった。星川は深夜に事務所でパソコン作業を進める中、資金繰りがどうしても立ち行かなくなることを発見した。月末に支払う必要のあるお金がないのだ。... 続きを読む

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ケースメソッドとは何か(4)Tough-Mindedness and the Case Method(硬い心とケース・メソッド)について

はじめに

 ケースメソッドを理解する手がかりとして、1954年に出版された『The Case Method at the Harvard Business School』の翻訳である『ケース・メソッドの理論と実際』を利用しながら、デューイング、グラッグのエッセイを読んできた。
 今回は、この本の編者でもあるマクネアー(Malcom P. McNair)が書いたエッセイ「Tough-Mindedness and the Case Method(柴田典男訳:硬い心とケース・メソッド)」を題材にケースメソッドとは何かについて論じていく。... 続きを読む

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看護管理の教科書に出てくる「人間関係論」をはじめた メイヨー(George Elton Mayo)とはどのような人物で何をしたのか

はじめに

 看護管理の教科書などを開くと、テイラーに続いて登場するのはメイヨーであることが多いのではないでしょうか。ホーソン工場実験とともに書かれていることが多い印象を私は持ちました。今回はメイヨーについて、どんな人で何をしたのかを簡単な説明します。メイヨーを知ることで、看護管理などの教科書を読むときの手助けになればと考えています。... 続きを読む

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合同会社manabico立ち上げについて①

看護師不足と潜在看護師活用

 この1年で潜在看護師が何度か話題になって、看護師以外にも潜在看護師の存在が広く知られるようになりました。昨年は日本看護協会から「看護職の方で現在、就業していない皆さまへ(復職のお願い)」というお願いが出されました。そして、ここ数日は菅総理が日本看護協会に東京オリンピックへの500人の看護師派遣を要請し「現在休まれている人がたくさんいると聞いている。可能だと思う」と述べたことが話題になりました。... 続きを読む

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ケース『自ステーションの強みが足かせになる時』

概要

 訪問看護ステーション「かがやき」の創業者で管理者でもある内田は、事業所のメンバー全員で自ステーションのSWOT分析を行った。内田は自ステーションの強みを改めて確認することができ、この強みを活かして訪問看護をしていこうという気持ちを新たにした。このミーティングが終わったその日の午後、訪問先の医師との面談中、自ステーションの弱みの部分で新しい患者を紹介される状況に直面した。内田はどのように医師に回答すればいいのだろうか... 続きを読む

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